時間を取り戻す 子育てを「これでいいのだ」って思えた日 小学校に上がった息子は、とにかく忘れ物が多かった。 連絡帳はまるで機能していなかったし、持ち物も「持っていくつもりがないのでは」と疑いたくなるほどだった。 ある日、先生に「親として管理しきれず、申し訳ありません」と伝えたところ、思いがけない返答が返ってきた。 「これは、本人の問題ですから」 ――えっ、そうなんですか。 ...
好きを感じる 人生に、たぶんはじめて――期待できそうに感じた日 朝、空気が湿っていた。 台所で、弁当の準備をする手が少し重たい。けれど、動くしかない。 「お弁当いる」――息子の一言で、そうせざるを得なかった。 熱を帯びたような身体は多分軽い熱中症。 今日は病院まで要介護の母を送らなきゃという予定。 そして、突如現れた弁当作り。 現実がテトリスのように脳内でぶつかり合って、収まりきら...