それは、きっと とてもシンプルなこと。
壁を好きな色で塗れる人は、人生も、自分の色で生きている。
塗ることに迷うのは、その壁が「ほんとうに自分のもの」になっていないか、そう思えていないから。
自分らしく振る舞えないのも、自分の人生を“どこか他人のもの”として生きているせい。
ペンキを前に浮かぶ「できない理由」は、あなたの中にある“見えない壁”と、たぶん同じ形をしている。
でも、忘れないでほしい。
塗れないことも、迷うことも──
あなたが優しく生きてきた証だ。
そして今、あなたの手の中に、一本の刷毛があるのなら──
そろそろ、自分のために塗ってもいい頃合いだよね。
ペンキ屋なのに、色を選べなかったあたし。
何十年も迷子になっていたあたしの話が、実はあなたに、ちょっと役に立つことになったら、
最高だなと思ってさ。